2016年7月13日 (水)

講演・シンポジウム「漢字文化の受容」が開催されます

奈良県立万葉文化館で講演会、奈良女子大学でシンポジウムが、連続して開催されます。特に後者では、書状という視点からみた正倉院文書をめぐる研究報告を聞くことができるようです。
一般参加の場合は申込手続き不要、研究者として参加の場合には8月16日までに申込みが必要です。詳しくは下記サイトをご覧ください。

http://www.nara-wu.ac.jp/kodai/wakate/wakate2016.pdf

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漢字文化の受容東アジア文化圏からみる手紙の表現と形式―

主催:奈良女子大学古代学学術研究センター
共催:奈良県立万葉文化館
    科学研究費基盤研究B「海外敦煌書儀・六朝尺牘文献の古代日本への受容実態の解明」
(代表:信州大学西一夫)

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公開講演会 日時:8月21日(日)13時~16時30分
         会場:奈良県立万葉文化館
         受付:12時30分~、無料
 
手紙の作法――書儀の実践・応用
    講師:京都大学非常勤講師 山本孝子氏
 
書の筆法から見る木簡・尺牘の世界
    講師:大東文化大学教授 河内利治氏

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シンポジウム 日時:8月22日(月)10時~16時
          会場:奈良女子大学文学系北棟202教室、無料
 
『杜家立成雑書要略』の書儀的表現
    報告者:信州大学教授 西一夫氏
 
書状と公文―正倉院文書の書状をめぐって―
    報告者:九州女子大学教授 奥田俊博氏
 
写経生・実務担当者の選択―「啓」という書式を選ぶ時―
    報告者:奈良学園大学教授 桑原祐子氏
 
古文書と古往来―日本の書札礼の周辺―
    報告者:関西大学教授 乾善彦氏
 
全体討論
    司会:奈良女子大学教授 奥村和美氏

2016年7月 6日 (水)

正倉院文書のなかでも、もっとも難解な解移牒符案の論文集がでました。

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栄原永遠男編『正倉院文書の歴史学・国語学的研究―解移牒案を読み解く―』
和泉書院(日本史研究叢刊30)
2016年6月25日発売
ISBN:978-4-7576-0803-0 C3321
定価(税込)¥13,500

http://www.izumipb.co.jp/izumi/modules/bmc/detail.php?book_id=129083&prev=new

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目次
序―扉をすこし開けたこと―(栄原永遠男)
天平宝字期の解移牒案について(山下有美)
桴工達の訴え―下道主の文書作成の苦心―(中川ゆかり)
正倉院文書における文末の「者」(桑原祐子)
「并」字の使用法から文字の受容・展開を考える―「並」「合」との比較から―(方国花)
解移牒符案にみえる訂正方法とその記号について(井上幸)
正倉院文書における督促の表現―「怠延」を中心に―(根来麻子)
古代日本独自の用法をもつ漢語―「返却」「却還」「還却」「解却」―(宮川久美)
写経生の任用について(濱道孝尚)
正倉院文書にみえる浄衣(渡部陽子)
天平初期の帳簿―解移牒符案の源流を求めて―(栄原永遠男)
あとがき(桑原祐子)

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山下有美氏は天平宝字期の五通の解移牒案を詳細に比較・検討し、作成の経緯や目的を論述します。栄原永遠男氏は天平初期の帳簿の構成や作成の目的を検討し、天平宝字期の解移牒符案にどのように受け継がれたかを追究しています。
国語学からは、方国花氏が「并」字、井上幸氏が訂正符、根来麻子氏が「怠延」、宮川久美氏が「返却」「却還」「還却」「解却」の用法を調べ、その意義を論じています。また中川ゆかり氏は「偁」が「款」と訂正された理由を、桑原祐子氏は「文末の者」が使われた意味を検討しています。
歴史学からは、濱道孝尚氏が「試字」と貢進文から写経生の任用について考察し、渡部陽子氏が浄衣の支給と返却、その縫製や洗濯について細かく論述しています。

2016年5月30日 (月)

正倉院文書の連続講座が開かれます

『トンボの眼』において、本研究会から講師を派遣し、正倉院文書についての連続講座を開催いたします。

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入門解説・正倉院文書
第1回 8月28日(日) 正倉院文書入門(講師:仁藤敦史)
第2回 9月 4日(日) 正倉院文書と東アジア(講師:三上喜孝)
第3回 9月11日(日) 正倉院文書から延喜式へ(講師:小倉慈司)
第4回 9月25日(日) 聖武天皇のお葬式(講師:稲田奈津子)
第5回 10月2日(日) 正倉院文書の楽しさ(講師:山口英男)

いずれも 13時30分~15時30分、全5回、受講料あり
会場は東京都内区立施設の予定です

【詳しくはコチラ↓】
http://www.tonbonome.net/index.php?page=event_ev1608280
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ふるってご参加ください。

2016年5月24日 (火)

『正倉院紀要』第38号が刊行されました

正倉院のホームページにて、全文をPDFファイルで読むことができます。
http://shosoin.kunaicho.go.jp/ja-JP/Bulletin

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目次
特集 正倉院正倉整備工事 まえがき……………………杉本一樹
正倉院正倉整備工事の報告……………………………春日井道彦
正倉院正倉の奈良時代平瓦をめぐる諸問題…………岩永省三
年輪年代法による正倉院正倉の建築部材の調査(3)…光谷拓実
正倉院宝庫修理の歴史と自然災害……………………飯田剛彦
正倉の鎮守について……………………………………春日井道彦
年次報告

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今回の特集は、2011~14年におこなわれた正倉院宝庫の整備工事に際して、新たに得られた知見をまとめたものとなっており、読みごたえがあります。
春日井論文や岩永論文によると、平瓦の製作技法について、東大寺造営の頃には「桶巻作り」から「一枚作り」に移行していたとの「常識」に反し、今回の調査では、正倉院宝庫に残る奈良時代瓦の実に70パーセント以上が桶巻作りだったことが判明したそうです。それを瓦の状態の良し悪しによる残存率のなせる結果とみるか、東大寺造営に先行する建物からの再利用とみるか、あるいは製作技法の年代観自体を見直す必要があるのか。興味は尽きません。その他にも、奈良時代の瓦工たちの手の痕跡が瓦に鮮明に残されている様子は驚きですし、また整備後の宝庫屋根のどの部分にどの時代の瓦が葺かれているか、一目瞭然の挿図も興味深いものです(古い瓦を見たければ南面を見るべし!)。
飯田論文は、従来の研究では見逃されてきた鎌倉時代後期の修理についての史料を指摘するなど、新知見も多く交えながら、宝庫修理の歴史を描いていきます。近年特に注目される自然災害と文化財保護という視点からも、示唆するところの多い一文となっています。
年次報告では、正集に見える国印の印肉材の調査結果が示されています。

2016年5月 4日 (水)

宮内庁書陵部収蔵漢籍画像公開記念国際研究集会のおしらせ【終了しました】

宮内庁所蔵漢籍についての研究集会が開催されます。書陵部所蔵の今更一部一切経についての報告もあり、またこの研究集会にあわせて、経巻も含んだ書陵部所蔵漢籍の善本のカラー画像がネット公開されるとのことです。ぜひご参加ください。

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慶應義塾大学附属研究所斯道文庫では、下記のイベントを共催します。奮ってご参加下さるようお願い申し上げます。

宮内庁書陵部収蔵漢籍画像公開記念国際研究集会
日本における漢籍の伝流
−デジタルアーカイブ「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」の視角−

日時: 平成28年6月4日(土)10:00〜17:30
会場: 慶應義塾大学三田キャンパス北館ホール
主催: 書陵部漢籍研究成果報告会実行委員会 
http://www.sido.keio.ac.jp/

プログラム:
第Ⅰ部 研究報告Ⅰ 仏典と漢籍旧鈔本
 
「宮内庁書陵部所蔵の聖語蔵関係経巻について」 小倉慈司(国立歴史民俗博物館准教授)
 「『古文孝経』永仁五年写本の問題点」 佐藤道生(慶應義塾大学文学部教授)
第Ⅱ部 講演とシンポジウム「漢籍研究とデジタルアーカイブ」
 「アメリカ合衆国における漢籍研究とデジタルアーカイブ」 マーティン ヘイドラ氏(プリンストン大学東アジア図書館長)
 「韓国伝来漢籍の研究とデジタルアーカイブ」 沈慶昊氏(高麗大学校漢文学科教授)
 「日本漢籍の研究とデジタルアーカイブ」 陳正宏氏(復旦大学古籍整理研究所教授)
 「蔵書概説データベースの効用」高橋智(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授)
 司会:金 文京(鶴見大学文学部教授・京都大学名誉教授)
第Ⅲ部 研究報告Ⅱ 宋元版と家別け文庫
 「書陵部本宋版論衡について」 矢島明希子(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫研究嘱託)
 「徳山毛利家旧蔵「伝奇四十種」所収『楊東来先生批評西遊記』の書名改刻をめぐって―原題は『李卓吾先生批評西遊記』か?―」 上原究一(山梨大学大学院総合研究部准教授)


【参加無料・登録不要】
広く漢籍と、日本文化研究に関心ある皆様のご参加をお待ちしております。

2016年3月31日 (木)

『上代写経識語注釈』(上代文献を読む会・編)が刊行されました

上代文献を読む会編『上代写経識語注釈』が刊行されました。

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『上代写経識語注釈』

上代文献を読む会編(稲城正己・井上幸・遠藤慶太・大江篤・影山尚之・桑原祐子・辻憲男・廣岡義隆・宮川久美・村瀬憲夫・李瑩瑩・Bryan Lowe)

勉誠出版 2016年3月刊 ISBN 978-4-585-22138-8
A5判  704 頁  14,040円(本体13,000円)

 http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=100569

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『奈良朝写経』収載経巻の識語について、個別に訓読と現代語訳・注解、および問題となる事項についての詳しい補説が集成されています。正倉院文書研究の成果をふんだんに取り込んだ注解・補説により、写経所の活動がその産物としての経巻を通して生き生きと蘇ってきます。

2016年3月14日 (月)

シンポジウム「人文学の知の展開」が開催されます【終了しました】

東京で人間文化研究機構主催のシンポジウムが開催されます。
正倉院事務所の杉本一樹所長と和紙の専門家との対談も予定されており、正倉院の「紙」に関する専門的なお話しを聞くことができそうです。
ウェブサイトによる事前申し込みが必要ですが、直前まで受け付けてくれるようですので、ふるってご参加ください。

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人間文化研究機構 広領域連携型基幹研究プロジェクト キックオフ・シンポジウム
【人文学の知の展開 健康・地域文化・書物】 開催のご案内

3月19日(土) 港区のコクヨホール(品川駅港南口より徒歩1分)にて上記シンポジウムが開催されます。
参加は無料ですが、お申し込みが必要となります。
詳しい内容・お申込み方法などは下記アドレスよりご覧いただけます。
皆様のご参加をお待ち申し上げております。

http://www.nihu.jp/events/2016/02/15/honbu/160319/

【日 時】平成28年3月19日(土) 10:00~16:30(予定)
【対象者】研究者、一般等   ※事前申込が必要(先着順)
【会 場】コクヨホール(東京都港区港南1丁目8番35号) 
【主 催】人間文化研究機構
【後 援】文部科学省(予定)
【参加費】無料 ※ウェブサイトより事前申込が必要(先着順)
【定員】 300名

■主なプログラム
10:30~11:10講演『アジアにおける「エコヘルス」研究の新展開』
 高田礼人(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター教授、ウイルス学)
11:25~12:15対談『異分野融合による総合書物学の構築』
 長谷川聡 (長谷川和紙工房代表、美濃和紙伝統工芸士)
 杉本一樹 (宮内庁正倉院事務所長、日本古代史・正倉院文書研究)

13:25~14:15対談『日本列島における地域社会変貌・災害からの地域文化の再構築』
 新国勇(只見の自然に学ぶ会代表)
 奥村弘(神戸大学大学院人文学研究科教授、日本近代史・地域遺産の保存活用の実践研究)
14:15~15:15映画上映「うつし世の静寂(しじま)に」※特別編集版
15:25~16:25パネルディスカッション

■概要
人文学の危機が叫ばれる今日、人文学の新たな知のあり方に関心が集まっています。人間文化研究機構は、現代社会の問題解明に向けた総合的な人間文化研究へと人文学の知の展開をはかるべく、平成28年4月より、国内外の研究機関や地域と連携し、広領域の学問分野の協働により新領域を創出する「基幹研究プロジェクト」を始動します。
本シンポジウムは、特に現代社会における「健康」・「地域文化」・「書物」をテーマとして、各分野で先駆的な取組みをされている実践者の方々をお迎えし、自然と人間との向き合い方を改めて問い直し、人間文化の新たな価値の創出に向けた研究の展望を見出します。

2015年11月13日 (金)

正倉院文書研究14号が刊行されました

会誌最新号が刊行されました。

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正倉院文書研究会編 『正倉院文書研究』 14号 

吉川弘文館、2015年11月13日出版 定価:本体4,500円+税

http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b209215.html

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◇◇ 目 次 ◇◇

南部 曻  御野国戸籍の「妾子」

石上英一  『東大寺要録』巻一所引延暦僧録文「仁政皇后菩薩」伝について

堀部 猛  日本古代の勘籍制

杉本一樹  皆川先生と正倉院古文書調査

渡部陽子  書評と紹介 尾形充彦著『正倉院染織品の研究』

口絵 赤地鴛鴦唐草文錦大幡脚端飾裏打文書(解説 飯田剛彦)

2015年11月 3日 (火)

第34回定期研究会が開催されました

0_52015年10月24日(土)午後、大阪市立大学文化交流センターにおきまして、今年度の定期研究会が開催されました。

第1報告の栄原永遠男氏「正倉院文書の構成―吉田孝氏の表の再検討―」は、1965年に吉田孝氏によって発表された、正倉院文書の全体像を把握しようとする「正倉院文書の構成表」について、その画期性を評価しつつも現在の研究状況からすると問題点も多いと指摘し、新たな「正倉院文書の構成表」を提示するものでした。「反故化の契機」に注目した吉田氏の表では抜け落ちてしまった、反故紙が写経所の「反故函」に入るまでの様々なパターンを丁寧に拾い上げており、ここ半世紀の写経所文書研究の飛躍的な進展を反映した内容と言えるでしょう。

第2報告の中川ゆかり氏「渤海国書における「彼国」と「貴国」―相手側を指す「彼」の用法から―」は、中国語の遠称表現である「彼」に対し、日本語には中称「そ」(聞き手の領域を示す)と遠称「か」(話し手・聞き手のいずれにも属さない領域を示す)とが存在することを前提に、正倉院文書中における「彼」の用例を検討していきます。相手を指す「彼(そ)」は対等か目下に対して用いられることを論じた上で、渤海からの国書(外交文書)における日本を示す「彼国(そのくに)」から「貴国」への移行を、渤海の外交方針と絡めて論じる、興味深い内容でした。

1_3第3報告の栄原永遠男氏「正倉院文書からみた奈良時代の悔過」は、奈良時代の悔過を定式化の進んだものと理解してきた従来の研究に対し、正倉院文書に見える個々の事例を再検討することで、開催時期や開催場所、本尊なども未確定な多様な様相を指摘するものでした。断片的な史料から数多くの情報を引き出し、その具体像に迫る手際は鮮やかなものでした。定式化の時期を9世紀以降と見通しつつ、平安時代以降の展開については今後の課題とのことでした。

2第4報告の山口英男氏「正倉院文書マルチ支援システム SHOMUS の概要」は、先ごろ公開の始まったデータベースシステムの紹介でした。ここでは断簡の状態や『大日本古文書』の本文・画像をみることができ、また前後に接続する断簡へジャンプすることもできます。また「研究文献」をクリックすれば、その断簡を引用した論文名とその頁、著者名などの情報が出てくるとのことでした。実演を交えての報告に、会場内の注目と期待が集まりました。

次回研究会は、2016年10月29日(土)、会場はこれまでとは変わり、奈良女子大学(奈良市北魚屋東町、近鉄奈良駅徒歩5分)で開催予定です。正倉院展で込み合う時期ですので、宿泊される場合は早めの確保をお勧めいたします。

2015年9月25日 (金)

第34回定期研究会のおしらせ【終了しました】

本年度の定期研究会は、下記のとおり開催されます。

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日時:2015年10月24日(土) 13:30~17:30
会場:大阪市立大学文化交流センター
    大阪駅前第2ビル・6階ホール(JR大阪駅前 徒歩約10分)
    
http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/academics/institution/bunko/index.html
研究報告:

 栄原永遠男「正倉院文書の構成-吉田孝氏の表の再検討-

 中川ゆかり「渤海国書における「彼国」と「貴国」-相手側を指す「彼」の用法から-

 栄原永遠男「正倉院文書からみた奈良時代の悔過」

 山口英男 「正倉院文書マルチ支援データベース SHOMUS の概要」
                                              <敬称略>

※〈共催〉SHOMU科研グループ(基盤研究(A)正倉院文書の多元的解析支援と広領域研究資源化)
※会員には近日中に案内文を発送いたします。年会費納入につきましてもよろしくお願いいたします(当日のお支払いはご遠慮ください)。

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非会員の方もご参加いただけます(当日は会場整理費〈500円程度〉が必要です)。研究会終了後、懇親会も予定しております。

お問い合わせは正倉院文書研究会事務局まで。

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