2017年10月30日 (月)

『正倉院文書研究』15号が刊行されました

会誌最新号が刊行されました。

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正倉院文書研究会編『正倉院文書研究』15号
吉川弘文館、2017年10月30日出版 定価:本体6,000円+税

http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b313253.html

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写経所の財源とその変遷                  市川理恵
東大寺所蔵経巻の検討
―「神護景雲二年御願経」と正倉院文書を手がかりに―
                                  矢越葉子
続々修第四十七帙第一巻の断片復原と基礎的考察  武内美佳
正倉院文書に見える奈良時代の軸について
―生産、供給と需要、流通と交易―
                                   長島由香
写経所における給食の復元                 三舟隆之
正倉院文書ワークショップ参加記             中村憲司
正倉院文書ワークショップ参加記             濱道孝尚
口絵 大般若経(魚養経)巻第二百五十一(解説)   野尻 忠

第36回定期研究会が開催されました

2017年10月28日(土)午後、東大寺総合文化センター・小ホールにおきまして、今年度の定期研究会が開催されました。

開会挨拶では代表の栄原永遠男氏から、会誌『正倉院文書研究』15号の刊行が報告されるとともに、本誌は査読誌であり、若手研究者にも積極的な投稿をお願いしたい旨が述べられました。

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第1報告大杉綾花氏「能恵所持大般若経と聖語蔵乙種第215号大般若経について」は、東大寺塔頭尊勝院の経蔵である聖語蔵に残された、239巻におよぶ経巻群の性格について検討するものでした。地獄からよみがえり大般若経の書写を完遂させたという、院政期の僧・能恵が書写した写経は、早くに散逸してしまいましたが、鎌倉時代になって東大寺でそれを書き継ぐ事業がおこなわれました。大杉氏は聖語蔵経巻の奥書の検討などから、この239巻の経巻群こそが能恵の写経を書き継いだものであるとする、刺激的な内容でした。

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第2報告の
濱道孝尚氏「奈良時代の仏教受容についての一考察―『法華経』関係論疏の書写を手がかりに―」は、法華経の各種注釈書が写経所でどのように書写されていたかという視点から、奈良時代における仏教受容の特質を明らかにしようとするものでした。特に女人救済への関心から『法華玄賛』が注目され、積極的に書写されたとの指摘は、興味深いものでした。

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第3報告の
山口英男氏「正倉院文書に見える「口状」について」は、「口状」という単語の意味を再検討するものでした。日本語辞典では「口上、口頭で述べること」などと説明されているのですが、正倉院文書での用例を検討していくと、口頭伝達の内容を聞き手側が書き取った書面と理解すべきであるとして、組織としての情報共有のあり方に再考をせまる内容でした。

今回の研究会は、正倉院展の初日にあわせ、ゆかりの深い東大寺境内を会場に開催されました。台風の影響が心配されたものの、約50名の参加者を得て、盛況のうちに終えることができました。

次回は2018年10月27日(土)、奈良女子大学で開催予定です。ぜひご予定ください。

2017年9月28日 (木)

古代史料が展示されます

秋の特別展が始まっています。各地で古代史料に触れることができます!ぜひお出かけください。

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香川県立ミュージアム
特別展「讃岐びと、時代を動かす ―地方豪族が見た古代世界―」

2017年10月7日(土)~11月26日(日)

http://www.pref.kagawa.jp/kmuseum/tenji/tokubetsuten/kaisai/
紫紙金字金光明最勝王経や山田郡田図、平城京木簡など、広く古代文字史料が展示されます。

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高岡市美術館
大伴家持生誕1300年記念 「家持の時代」展

2017年9月22日(金)~10月22日(日)

http://www.e-tam.info/index.html
越中国に関わる紙本の東大寺開田図や、家持自署のある太政官符なども展示されています。会期が短いので、ご注意ください。

2017年9月21日 (木)

第36回定期研究会のおしらせ

本年度の定期研究会は、下記のとおり開催する予定です。

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日時:2017年10月28日(土) 13:30~17:30
会場:
東大寺総合文化センター 小ホール(地下1階)【例年と異なります。ご注意ください】
〒630-8208 奈良市水門町100番地(東大寺境内・南大門入って左手)

http://culturecenter.todaiji.or.jp/

研究報告:
大杉 綾花「能恵所持大般若経補写事業と聖語蔵乙種第215号大般若経について」
濱道 孝尚 「法華経の受容の一考察 -論疏類の写経事業を通じてー(仮)」
山口 英男 「正倉院文書に見える「口状」について」
(以上、敬称略)
 17:40~18:00 総会
 18:30~   懇親会

※会員には、Eメール(9月15日送信)、または郵便(9月22日頃配達見込み)にて、案内文をお送りしております。もしいずれも届かないようでしたら、事務局までご一報ください。
※年会費納入につきましても、よろしくお願いいたします(当日のお支払いはご遠慮ください)。

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非会員の方のご参加も歓迎します(当日は会場整理費〈500円程度〉が必要です)。
正倉院展会期中のため、奈良市内での宿泊は混雑が予想されます。宿泊をご予定の方は、早めの確保をお願いします。
お問い合わせは正倉院文書研究会事務局まで。

2017年9月11日 (月)

福岡市博物館で鴻臚館特別展開催中

福岡市博物館で、大宰府鴻臚館をテーマとした特別展が開催中です。尊経閣文庫所蔵の「買新羅物解」など見所が満載です。展示替えにご注意ください。

発見100年記念特別展
よみがえれ!鴻臚館 ―行き交う人々と唐物―

会期:2017年9月7日(木)~10月22日(日)

http://museum.city.fukuoka.jp/exhibition/tokubetsu2.html

発掘調査開始から30年になる記念特別展で、最新の発掘調査成果(建て替えの時期が見直されています)だけでなく、今回は唐物も一つのテーマになっております。

・国宝「唐人送別詩幷尺牘」園城寺【展示替え無し】
  …海商や唐僧が円珍に送ったもの。全二巻十八通一挙公開
・重文「買新羅物解」公益財団法人前田育徳会【9/12~10/9】
  …天平勝宝四年六月廿三日
・重文「美努岡万連墓誌」東京国立博物館【展示替え無し】
  …大宝年間の遣唐使
・重文「円仁入唐求法目録」京都国立博物館【途中展示替え】
  …日本国承和五年入唐求法目録
・重文「常暁請来目録」公益財団法人大和文華館【9/7~10/1】
  …冒頭~太元帥法請来部分
・重文「東征伝絵巻」(巻第四)唐招提寺
  【9/7~10/1】第三段 【10/3~10/22】第六・七段
  …鑑真の来日要請場面、大宰府到着の場面
・重文「高野大師行状図画」公益財団法人白鶴美術館【9/7~10/1】
  …第二巻「大師御入唐事」(空海入唐の場面)
鴻臚館跡出土木簡13点ほか

ほかにも正倉院宝物復元品や源氏物語大島本、京博の源氏物語絵色紙帖などの出品があります。

2017年5月 8日 (月)

正倉院文書の研究文献をお探しですか?

2015年より公開中の「正倉院文書マルチ支援データベース」(SHOMUS)ですが、データ数は現在も増え続けており、より便利なツールとして進化し続けています。今回はその中でも「研究文献検索」についてご紹介しましょう。
2017年4月現在で、360論文、累計4万2千件以上のデータが公開されています。今後も随時更新予定とのことです。

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「正倉院展で見たアノ巻物の中の、アノ文書について調べてみたいけど、どの論文を見ればいいのかな?」
そういう時に役立つのが「研究文献検索」です。「アノ文書」に言及している論文と、その言及箇所について、ピンポイントで教えてくれる優れものです。

東京大学史料編纂所ホームページ
(データベース検索→〔史料の所在〕正倉院文書マルチ支援データベース)
http://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/shipscontroller

画面上方にある「研究文献検索」のボタンを押してみましょう。

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たとえば「続々修第3帙第1巻に関する研究論文」を調べたいと思ったら、【類別】欄で「続々修」を選び、【帙巻】欄に「0301」と入力して、【検索】をクリックします。

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すると、続々修第3帙第1巻に言及する論文の一覧が出て、論文中のどのページに記載があるかまで知ることができます。項目検索と組み合わせることで、さらに「この巻物の中のアノ文書」など、細かく対象を絞っていくことができます。
ぜひ一度お試しください!

2017年4月24日 (月)

『正倉院紀要』第39号が刊行されました

『正倉院紀要』第39号が刊行されました。
http://shosoin.kunaicho.go.jp/ja-JP/Bulletin 

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目次
正倉院南倉の銀壺について……………………………吉澤 悟
正倉院宝物の機器分析調査…………………………成瀬正和
年次報告
手実と端継―正倉院文書の成り立ち―………………佐々田悠
いわゆる因幡国戸籍の成立と伝来……………………渡辺晃宏

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 正倉院文書に関する論文が2本掲載されています。渡辺論文は因幡国戸籍についての詳細な観察報告です。内側に折られていたことや身分変動に伴う追記の意味を明らかにし,この帳簿が計帳歴名の原簿として「計帳の日」の人身把握に用いられた可能性に言及します。律令公文の新たな研究として注目されます。佐々田論文は手実帳の形態観察をもとに文書の成り立ちを考察したものです。手実にはかなりの割合で端継が転用されていて,巻末の端継は書写後に剥がされて経師の手実に,巻首の端継は最後の装丁段階で切断されて,案主によって帳簿に再利用されたことを論じています。人身把握と帳簿のあり方,写経行程と反故紙の発生など,古代の実情に迫るものとなっています。

 そのほか,吉澤論文は巨大な銀壺の技法や狩猟文について考察,日本製である可能性を指摘しています。成瀬論文は機器分析による科学的調査の内容と歩みを分かりやすく解説しており,近年の古文化財調査の手法を知る上でも必読です。
 年次報告では鳥毛篆書屏風や吹絵紙,最勝王経帙についての調査結果が示されています。

2017年2月17日 (金)

奈良国立博物館で正倉院文書を展示中【終了しました】

奈良国立博物館の名品展「珠玉の仏教美術」において、3月14日(火)まで、正倉院文書を展示しています。

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重要文化財「造東大寺司請経牒」1巻

 

写経所で五月一日経の勘経がおこなわれていた時期、平城京内の諸寺院にも勘経の分担を依頼(命令?)することがありました。この文書は、天平勝宝7歳(755)に、写経所の上級官司である造東大寺司が興福寺に宛てて出した牒で、五月一日経96巻分を勘経するため、図書寮経(唐経)の同一巻とともに興福寺へ引き渡すという内容です。(帙単位で渡したため、図書寮経のほうが数が多く、134巻になっている。合計230巻。)
宮崎健司「光明子発願五月一日経の勘経」(同『日本古代の写経と社会』塙書房、二〇〇六年)参照。奈良国立博物館『大遣唐使展』(図録、二〇一〇年)にも図版・解説が掲載されています。

 

そのほか名品展では、五月一日経・大般若経(魚養経)・紫紙金字金光明最勝王経など、いずれも正倉院文書との関連が深い奈良朝写経が展示されています。前述の造東大寺司請経牒も含め、これらは奈良博HP上の「収蔵品データベース」で、鮮明な画像と詳しい説明を見ることができます。
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2017mei/2017mei_101_shoseki.html
(目録「名称」の青い字をクリックすると、収蔵品データベースを参照できます)

2016年11月21日 (月)

第35回定期研究会が開催されました

2016年10月29日(土)午後、奈良女子大学におきまして、今年度の定期研究会が開催されました。

第1報告の三舟隆之氏「写経所における給食の復元」は、食材や調理器具、食器についての史料を丹念に検討した上で、天平宝字6年の二部大般若経書写事業を例に古代の給食を復元したものです。実際に復元実験も行われており、支給量が一日の食料にしては多過ぎることから、余剰分が給与として支給されたとの見方を支持するなど、古代の下級官人の実態に迫る内容になっています。

第2報告の小倉慈司氏「宮内庁書陵部所蔵の奈良朝写経と聖語蔵」は、関係する手実や聖語蔵所蔵の僚巻などに言及しながら、書陵部所蔵の奈良朝写経の全体像を示したものです。五月一日経、神護景雲経、今更一部一切経や「中臣之寺」印を有する経巻があり、これらの多くが「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」において画像公開されていることが紹介されました。画像は精細で大変見やすいものになっています。

第3報告の山下有美氏「天平勝宝2年~天平宝字2年の東大寺写経所と写書所」は、当該期の東大寺写経所と写書所について全面的に検討を加えたものです。両所が別組織であるとの山本幸男氏の指摘を踏まえ、案主や雑使の実態、発給文書について詳細に検討し、宝字2年の東大寺写経所は紫微中台管轄の写経機構として御願経を担ったことを明らかにし、さらに議論を場の問題に展開して、「経堂」と「書堂」を事務局と作業場とする理解を示しています。史料・表ともに豊富で、大変熱のこもった発表になりました。

第4報告の遠藤基郎氏「史料編纂所閲覧室での東南院文書の高精細画像の提供」は、学術創成研究費(田島公研究代表)によって撮影され、データベースが構築された東南院文書の公開について紹介したものです。現在、高精細の画像が史料編纂所の図書閲覧室の端末で公開されていることを、実演を交えながら報告していただきました。

今回の研究会はこれまでと異なり、奈良での開催でしたが、50名以上の方々にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました。

次回は2017年10月28日(土)、東大寺総合文化センター 小ホールで開催予定です(東大寺南大門内、東大寺ミュージアムと同じ建物)。 ぜひご予定ください。

2016年9月 8日 (木)

第35回定期研究会のおしらせ【終了しました】

本年度の定期研究会は、下記のとおり開催する予定です。

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日時:
2016年10月29日(土) 13:30~17:40
会場:
奈良女子大学文学部N棟2階、N202教室 【例年と異なります、ご注意ください】
〒630-8506 奈良市北魚屋東町 近鉄奈良駅より徒歩5分 

http://www.nara-wu.ac.jp/nwu/intro/access/campusmap/index.html

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研究報告:
三舟 隆之「写経所に見える給食形態」(仮)
山下 有美「筆跡からみた天平宝字二年の写経所-案主・雑使・校生-」(仮)
小倉 慈司「宮内庁書陵部所蔵の奈良朝写経と聖語蔵」(仮)
遠藤 基郎「史料編纂所閲覧室での東南院文書の高精細画像の提供」
(以上、敬称略)
 17:40~18:00 総会
 18:30~    懇親会

※会員にはEメール、または郵送にて、案内文をお送りしています(10月2日頃着予定)。もしいずれも届かないようでしたら、事務局までご一報ください。
※年会費納入につきましてもよろしくお願いいたします(当日のお支払いはご遠慮ください)。

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非会員の方もご参加いただけます(当日は会場整理費〈500円程度〉が必要です)。
正倉院展会期中のため、奈良市内での宿泊は混雑が予想されます。宿泊をご予定の方は、早めの確保をお願いします。
お問い合わせは正倉院文書研究会事務局まで。

 

 

 

 

 

 

 

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