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2022年12月27日 (火)

サントリー美術館で奈良時代古写経展示中

サントリー美術館(東京都港区)にて京都・東山に建つ智積院の多彩な名宝が展示されています。

                    ⛄

展覧会「京都・智積院の名宝」

会期:2022年11月30日(水)~2023年1月22日(日)

開館時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)

休館日:火曜日、12月30日(金)~1月1日(日・祝)

https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2022_5/index.html

                    ⛄

「華手経 巻第十三(五月一日経)」と「増一阿含経 巻第二十九(善光朱印経)」が出陳されています。

20年以上にわたって書写され、質と量において奈良時代を代表する古写経である五月一日経と、「善光」の朱印が特徴の奈良時代後期を代表する古写経である善光朱印経を同時に拝観することができます。

宝永二年(1705)の「智積院靈寶并袈裟世具目録」(こちらも展示中)には、ともに「運敞(うんしょう)」が寄付したとあります。

2022年11月 2日 (水)

第40回定期研究会が開催されました

2022年10月29日(土)に、第40回定期研究会が開催されました。

                    🎪

第1報告の井上翔氏「具注暦からみる文書行政」は、まず正倉院文書中に3点残る具注暦と各地から出土する漆紙文書として残る具注暦をもとに、官司内で利用する暦は陰陽寮の頒暦に基づいて官司内で書き写していたことを確認。また木簡の事例から、必要な箇所を抄写し、あるいは官司内で掲出していたと思しき事例を紹介し、7世紀に遡る事例もあることから、諸国に対する頒暦の開始時期についても論及しました。

第2報告の小菅真奈氏「奈良時代の本人確認について―沙弥実進度縁を中心に―」は、沙弥実進度縁(案)と延喜玄蕃寮度縁式の書式の比較を通じて、同度縁(案)が正文の正確な写しであることを確認し、その上で黒子の位置にかかる「額中上一鼻折上一」の文字が追記風に書かれている点に着目。従来の研究では戸籍や計帳からの引き写しであるとされてきた黒子記載を、度縁を授与するまさにその現場で得度者の身体的特徴を書き込んだ文字そのものを反映したものと指摘します。さらに計帳の日に本人を目の前にして身体的特徴を追記している因幡国戸籍の事例や、複数箇所の黒子を記載する奴婢見来帳の事例をもとに、黒子を記載する場やその意味について考察しました。

第3報告の森明彦氏「正倉院仮名文書乙試読」は、石山で書写された奉写大般若経の食物用帳の紙背に転用されて残る仮名文書乙について、これまでの正倉院文書研究の成果を踏まえ、石山に到来したのち上馬養の手元で保管されていた文書であるという前提で、仮名文書乙の解釈を試みました。石山寺造営については米の収納にかかる史料が欠けていることから、これまで封租米の徴収や官人の私経済の活用のように様々な観点から論じられてきましたが、新たな角度から米の入手方法を論じる内容といえます。乙文書との関連性が指摘されている甲文書の解読に加え、特異な経路によって入手した米をどのように帳簿に記載していたのか等、今後の展開に興味が尽きません。

第4報告の山口英男氏「小川八幡神社大般若経の調査概要」は、2019年度から3年間にわたって史料編纂所の特定共同研究として実施した小川八幡神社大般若経の調査成果にかかる概要報告。同大般若経には少なくとも奈良時代書写経が4種、平安時代書写経が3種含まれていることが判明していますが、今年度からの特定共同研究でも引き続き調査されることから、さらなる成果が期待されます。

                    🎪

3年ぶりの会場での開催となりましたが、36名の参加を得ることができました。

次回は、2023年10月28日(土)午後、奈良市内での開催を予定しております。

2022年10月18日 (火)

大谷大学博物館で国分寺経など奈良朝写経を展示中【終了しました】

大谷大学博物館で国分寺経など奈良朝写経を展示中です。

奈良朝写経のほか岩崎本『日本書紀』・蓬左文庫本『続日本紀』も展示しています。

                 🚗

大谷大学博物館 特別展「仏法東帰‐大仏開眼へのみち‐」

会期: 2022年10月11日(火)~11月28日(月)

https://www.otani.ac.jp/events/2022/sfpjr7000000px9t.html

                 🚗

仏教公伝1470年・聖徳太子没後1400年・大仏開眼1270年記念として、大仏開眼、仏教公伝、聖徳太子信仰と聖武天皇をテーマに開催しています。

奈良朝写経では、紫紙金字『金光明最勝王経』巻第三(奈良国立博物館)、同巻第六(徳川美術館)、聖武天皇発願一切経『仏説七知経』(檀王法林寺)、光明子発願一切経『瑜伽師地論』巻第三十七(大谷大学博物館 10/11~29)、称徳天皇発願一切経『十誦律』巻第二十五(京都国立博物館 11/1~28)を展示。

また岩崎本『日本書紀』巻第二十二(京都国立博物館)、慶長写本『日本書紀』巻第十九・二十二(国立公文書館蔵 10/11~29)、伊勢本『日本書紀』巻第二十二(穂久邇文庫)、蓬左文庫本『続日本紀』巻第十八(蓬左文庫蔵 10/11~29)、同巻第十五(11/8~28)などの史書に加え、『東大寺要録』巻第二(醍醐寺蔵 11/8~28)、同(醍醐寺本写本 京都国立博物館 10/11~11/5)や聖武天皇『雑集』(小杉榲邨写本 国立国会図書館 10/11~29)も展示。

2022年10月 4日 (火)

第40回定期研究会のおしらせ【終了しました】

本年度の定期研究会は、下記のとおり開催いたします。皆様お誘い合わせの上、ご参加ください。

                     

日時:2022年10月29日(土) 13:00~16:30
会場:東大寺総合文化センター小ホール(奈良市水門町100番地)
    ※東大寺南大門を入ってすぐ左手の建物です。
     アクセスマップ→http://www.netz.co.jp/joruri/kinsyouhoru.pdf

                     

研究報告:
井上翔「具注暦よりみる文書行政」
小菅真奈「奈良時代の本人確認についてー沙弥実進度縁案を中心にー」
森明彦「正倉院仮名文書乙試読」
山口英男「小川八幡神社大般若経の調査概要」
(順不同 敬称略)
16:20~16:30 総会
※懇親会はありません。

研究会に参加される場合は、下記研究会事務局アドレスへ10月20日(木)迄にご連絡ください(会員・非会員とも)。
shosoinkenkyukai★gmail.com(★を@に代えてください)

※会員にはEメールにて案内文をお送りしております。
※年会費納入につきましてもよろしくお願いいたします(当日のお支払いはご遠慮ください)。

                     

非会員の方のご参加も歓迎いたします(当日は会場整理費〈500円程度〉が必要です)。
正倉院展会期中のため、奈良市内での宿泊は混雑が予想されます。宿泊をご予定の方は、早めの確保をお願いします。
お問い合わせは、正倉院文書研究会事務局までお気軽に。
 shosoinkenkyukai★gmail.com(★を@に代えてください)

2022年9月14日 (水)

五島美術館で奈良時代古写経を展示中【終了しました】

五島美術館展覧会「禅宗の嵐」で奈良時代の古写経が多数展示されています。

             🐱

五島美術館 [館藏]秋の優品展「禅宗の嵐」

会期: 2022年8月27日(土)~10月16日(日)

https://www.gotoh-museum.or.jp/event/open/

             🐱

「得無垢女経」(五月一日経)「優婆離問仏経」(五月一日経)・「中阿含経 巻第三十四」(善光朱印経)・「法華経 巻第五」(藤南家経)・「大般若波羅蜜多経 巻第二百二十五※」(魚養経)・「大般若波羅蜜多経 巻第二百四十八※」(長屋王願経 和銅経)・「大般若波羅蜜多経 巻第三百四十三」(長屋王願経 和銅経)・「大般若波羅蜜多経 巻第二百五十九・二百六十六※」(永恩具経 天平経)などが展示されています。※は展示期間が9月21日~10月16日

「天平十二年五月一日」付の願文を持ち、約二十年にわたり光明皇后の写経所で書写された「五月一日経」をはじめ、実忠(じっちゅう)のもと称徳・道鏡政権時に開始された「先一部写経事業」で書写された「魚養経」、年紀を有する日本最古の大般若経といわれる「長屋王願経(和銅経)」が出陳されています。ほかにも奥書に「藤南家経」とある「法華経 巻第五」、「善光」の朱印が捺され、東大寺写経所の経師としても活躍した丈部浜足(はせつかべのはまたり)の筆による「中阿含経 巻第三十四」(善光朱印経)など、盛りだくさんの展示となっています。

 

2022年8月24日 (水)

台東区立書道博物館企画展「美しい楷書―中国と日本―」【終了しました】

台東区立書道博物館で奈良時代の古写経「大般若波羅蜜多経 巻第八十一(伝朝野魚養筆)」が展示されています。

             💠

企画展 中村不折コレクション「美しい楷書―中国と日本―」

後期展示 8月16日(火)~10月23日(日)

https://www.taitocity.net/zaidan/shodou/oshirase/news/2188/

             💠

この大般若経は、「魚養経」「薬師寺経」などと呼ばれるもので、現在、藤田美術館に387卷、薬師寺に40卷以上、その他の機関を含めて合計470卷以上が残っています。正倉院文書から神護景雲四年(770)から宝亀二年(771)に東大寺写経所で書写された「先一部」写経事業のものであることがわかっています。展示されている「巻第八十一」は、経師の丸部大人が宝亀元年十一月三日以前に書写しました(『大日本古文書』編年文書17巻206頁参照)。

2022年7月27日 (水)

根津美術館企画展「よめないけど、いいね!根津美術館の書の名品」【終了しました】

根津美術館(東京都港区)で奈良朝写経を含む企画展が開催中です。

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企画展「よめないけど、いいね!根津美術館の書の名品」

会期:2022年7月16日(土)~8月21日(日)

https://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

※鑑賞するためには日時指定入館券が必要です。

             🎠

奈良時代の古写経、「観世音菩薩受記経(天平六年聖武天皇勅願経)」や「大般若経 巻第二百六十七(神亀五年長屋王願経)」、「根本百一羯磨 巻第六(今更一部経)」などが展示されています。

「観世音菩薩受記経(かんぜおんぼさつじゅききょう))」(重要文化財)は、天平六年(734)の聖武天皇勅願経です。願文に「天平六年」「写経司」「門部王」などとあります。この天平六年聖武勅願経は、光明皇后の写経所で五月一日経が書写されていたころ、聖武天皇の写経所で書写されていました。五月一日経は1000巻ほど現存しますが、聖武勅願経は、「双観無量寿経 巻上」(逸翁美術館)、「仏説七知経」(檀王法林寺)とともに3巻しか現存しません。

「大般若経 巻第二百六十七」(重要文化財)は、神亀五年長屋王願経です。長屋王願経は、和銅五年(712)の和銅経と神亀五年(728)の神亀経があります。ともに無辺無界(界線がない)で、神亀経には日本の古写経には珍しく、巻末に校経列位(書写や校正に携わった人々の名前)が記されています。和銅経は200巻以上現存していますが、神亀経は3、4巻しか現存しません。

「根本百一羯磨(こんぽんひゃくいちこんま) 巻第六」(国宝)は、東大寺写経所において宝亀年間に書写された今更一部経です。「巻第一~四」「巻第七~十」は聖語蔵、「巻第五」は白鶴美術館にあります。正倉院文書から宝亀六年(665)に念林老人が書写したことがわかります。

希少な古写経が展示されています。お見逃しなく。

2022年7月13日 (水)

『正倉院紀要』第44号が刊行されました

『正倉院紀要』第44号が刊行されました。下記サイトから全文閲覧可能です。

https://shosoin.kunaicho.go.jp/bulletin/

                 🌙
 

**** 目次 ****

正倉院の筆と書跡から中国書法を見直す……橋本貴朗

花氈第17号の復元的研究……ジョリー・ジョンソン

模造「笛吹襪」の製作……矢野俊昭

正倉院漆工品にみる研ぎ出し技法について―金銀平文琴の検討を中心に―……山片唯華子

年次報告

                  🌙  

橋本論文は第43号で特集された「筆」の特別調査、ジョンソン論文は第42号で特集された「花氈」の特別調査に関わるもので、あわせて参照されたい。橋本論文は、遊糸など有芯筆にともなう特徴という視点から、中国書法を再検討する。ジョンソン論文は、2020年正倉院展でも動画で紹介され注目された花氈の復元製作の工程の紹介と、そこから得られた所見について論じる。矢野論文では舞楽装束の「襪」(靴下)の模造製作について解説するが、糸をつくって織り、染料をつくって染め、裁断して縫製し、銘文を墨書するという、多くの専門家による総合知としての模造製作の意義がよく伝わってくる。山片論文は、中国唐代に製作された金銀平文琴にみえる加飾技法である平文(ひょうもん)について、関連宝物を含めた詳細な検討をもとに、その技法について論じる。年次報告では、正倉院所在の法隆寺関係染織品についての調査報告もなされている。

2022年5月17日 (火)

和歌山県博・特別展に「御毛寺知識大般若経」など展示中【終了しました】

4月23日から始まった和歌山県立博物館の特別展「きのくにの大般若経」では、「小川八幡神社大般若経」(小川八幡経)をはじめとして、奈良・平安時代書写の経巻を含めた100点を超える大般若経が展示されています。

小川八幡経は、4年間にわたる和歌山県立博物館と東京大学史料編纂所を中心とした共同学術調査が2022年3月に完了し、そのタイミングで、和歌山県博による県内伝来大般若経調査のこれまでの蓄積とあわせた特別展の開催となったものです。

小川八幡経は1978年に薗田香融氏によってその存在が学界に速報され、奥書の内容と120巻もの奈良時代写経を含むことで一躍注目を浴びました。その全貌が明らかにされることを待たれていた史料群であり、今回が初めての展示ともなります。

小川八幡経の奈良~平安前期の書写巻では下記などが展示されています(平安中期以降書写巻も多数展示)。

・日本霊異記に見える紀伊国那賀郡の「弥気山室堂」との関係が推定される御毛寺(御気院)が奥書に登場する天平13~14年書写の知識経

・正倉院文書にも登場する上毛野伊賀麻呂など、右京六条在住の官人による書写巻

・信濃国佐久郡で仁寿3年に書写された大坂真長願経

・「寛平九年」「清水寺蔵本」の記載と「一日堂一切経」の押印を持つ巻

全600巻の大般若経について、時代・形態・書風などの異なるセット・経巻が一堂に展示され、それらを会場で見比べることができる点でも貴重な機会といえそうです。会期6月5日(日)まで(図録は郵送でも購入可、¥1200+送料)。

https://hakubutu.wakayama.jp/exhibit/hannyakyou2022/

https://hakubutu.wakayama.jp/information/hannya2022zuroku/

2022年2月11日 (金)

日韓合同研究会「古代日本と韓国の文字文化と書写材料」のおしらせ【終了しました】

研究会のおしらせをいただきましたので、ご紹介いたします。
正倉院宝物に関する報告もあります。ぜひご参加ください。
             ⛄
日韓合同研究会「古代日本と韓国の文字文化と書写材料」
【開催趣旨】
 国立歴史民俗博物館と国立慶北大学校人文学術院とは、2019年に学術交流協定を結び、日韓の文字文化や記録技術に関する交流事業を行ってきました。このたび、「古代日本と韓国の文字文化と書写材料」というテーマで、石・金属器・木・紙など、多様な素材を用いて文字が記されることの意味やその関係性について、日韓の研究者による研究発表と討論を通じて、古代東アジアの文字文化の特質を考えます。
日時:2022年2月23日(水) 13:00~18:00
開催形態:オンライン(Zoom)
プログラム:
13:00~13:10 挨拶(尹在碩・慶北大学人文学術院長、西谷大・国立歴史民俗博物館長)
13:10~13:20 趣旨説明  三上喜孝(国立歴史民俗博物館)
13:20~13:50 研究発表1 「慶山・所月里木簡の性格―新羅村落文書との比較および形態的特徴より」橋本繁(慶北大学人文学術院)
13:50~14:20 研究発表2 「正倉院宝物にみる紙木併用」佐々田悠(宮内庁正倉院事務所)
14:20~14:50 研究発表3 「形式論からみた新羅村落文書―構造・書式と用語」李鎔賢(慶北大学人文学術院)
(休憩)
15:00~15:30 研究発表4 「銘文刀剣からみた古代日韓関係」金跳咏(慶北大学人文学術院)
15:30~16:00 研究発表5 「宗教からみた古代日韓の石と文字の文化」堀裕(東北大学大学院文学研究科)
16:00~16:30 研究発表6 「『開仙寺石灯記』の外的性格に関する2,3の問題」赤羽目匡由(東京都立大学人文社会学部)
(休憩)
16:40~18:00 総合討論
討論:李東柱(慶北大学人文学術院)、畑中彩子(東海大学)
通訳:方国花(慶北大学人文学術院)
※討論は逐次通訳をいたしますが、各報告に逐次通訳はありません。
主催:国立歴史民俗博物館(調整中)・慶北大学人文学術院HK+事業団
後援:韓国研究財団・科学研究費基盤研究(B)「古代日本と朝鮮の金石文にみる東アジア文字文化の地域的展開」(19H01301)
参加についてのお問い合わせは、下記のメールアドレスにご連絡ください。
三上喜孝 mikami★rekihaku.ac.jp(★を@に代えてください)

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