2022年5月17日 (火)

和歌山県博・特別展に「御毛寺知識大般若経」など展示中

4月23日から始まった和歌山県立博物館の特別展「きのくにの大般若経」では、「小川八幡神社大般若経」(小川八幡経)をはじめとして、奈良・平安時代書写の経巻を含めた100点を超える大般若経が展示されています。

小川八幡経は、4年間にわたる和歌山県立博物館と東京大学史料編纂所を中心とした共同学術調査が2022年3月に完了し、そのタイミングで、和歌山県博による県内伝来大般若経調査のこれまでの蓄積とあわせた特別展の開催となったものです。

小川八幡経は1978年に薗田香融氏によってその存在が学界に速報され、奥書の内容と120巻もの奈良時代写経を含むことで一躍注目を浴びました。その全貌が明らかにされることを待たれていた史料群であり、今回が初めての展示ともなります。

小川八幡経の奈良~平安前期の書写巻では下記などが展示されています(平安中期以降書写巻も多数展示)。

・日本霊異記に見える紀伊国那賀郡の「弥気山室堂」との関係が推定される御毛寺(御気院)が奥書に登場する天平13~14年書写の知識経

・正倉院文書にも登場する上毛野伊賀麻呂など、右京六条在住の官人による書写巻

・信濃国佐久郡で仁寿3年に書写された大坂真長願経

・「寛平九年」「清水寺蔵本」の記載と「一日堂一切経」の押印を持つ巻

全600巻の大般若経について、時代・形態・書風などの異なるセット・経巻が一堂に展示され、それらを会場で見比べることができる点でも貴重な機会といえそうです。会期6月5日(日)まで(図録は郵送でも購入可、¥1200+送料)。

https://hakubutu.wakayama.jp/exhibit/hannyakyou2022/

https://hakubutu.wakayama.jp/information/hannya2022zuroku/

2022年2月11日 (金)

日韓合同研究会「古代日本と韓国の文字文化と書写材料」のおしらせ【終了しました】

研究会のおしらせをいただきましたので、ご紹介いたします。
正倉院宝物に関する報告もあります。ぜひご参加ください。
             ⛄
日韓合同研究会「古代日本と韓国の文字文化と書写材料」
【開催趣旨】
 国立歴史民俗博物館と国立慶北大学校人文学術院とは、2019年に学術交流協定を結び、日韓の文字文化や記録技術に関する交流事業を行ってきました。このたび、「古代日本と韓国の文字文化と書写材料」というテーマで、石・金属器・木・紙など、多様な素材を用いて文字が記されることの意味やその関係性について、日韓の研究者による研究発表と討論を通じて、古代東アジアの文字文化の特質を考えます。
日時:2022年2月23日(水) 13:00~18:00
開催形態:オンライン(Zoom)
プログラム:
13:00~13:10 挨拶(尹在碩・慶北大学人文学術院長、西谷大・国立歴史民俗博物館長)
13:10~13:20 趣旨説明  三上喜孝(国立歴史民俗博物館)
13:20~13:50 研究発表1 「慶山・所月里木簡の性格―新羅村落文書との比較および形態的特徴より」橋本繁(慶北大学人文学術院)
13:50~14:20 研究発表2 「正倉院宝物にみる紙木併用」佐々田悠(宮内庁正倉院事務所)
14:20~14:50 研究発表3 「形式論からみた新羅村落文書―構造・書式と用語」李鎔賢(慶北大学人文学術院)
(休憩)
15:00~15:30 研究発表4 「銘文刀剣からみた古代日韓関係」金跳咏(慶北大学人文学術院)
15:30~16:00 研究発表5 「宗教からみた古代日韓の石と文字の文化」堀裕(東北大学大学院文学研究科)
16:00~16:30 研究発表6 「『開仙寺石灯記』の外的性格に関する2,3の問題」赤羽目匡由(東京都立大学人文社会学部)
(休憩)
16:40~18:00 総合討論
討論:李東柱(慶北大学人文学術院)、畑中彩子(東海大学)
通訳:方国花(慶北大学人文学術院)
※討論は逐次通訳をいたしますが、各報告に逐次通訳はありません。
主催:国立歴史民俗博物館(調整中)・慶北大学人文学術院HK+事業団
後援:韓国研究財団・科学研究費基盤研究(B)「古代日本と朝鮮の金石文にみる東アジア文字文化の地域的展開」(19H01301)
参加についてのお問い合わせは、下記のメールアドレスにご連絡ください。
三上喜孝 mikami★rekihaku.ac.jp(★を@に代えてください)

2021年11月19日 (金)

国際学術研究会「交響する古代XII」のおしらせ【終了しました】

オンライン研究会のおしらせをいただきましたので、ご紹介いたします。

敦煌写経や敦煌文書に関する研究報告もあります。

                🎧

明治大学日本古代学研究所が主催する国際学術研究会「交響する古代XII」を、来月12月12日(日)にオンライン開催いたします。

国際学術研究会「交響する古代XII」

2021年12月12日(日) 10時開会/17時40閉会

石川日出志(明治大学)「九州における銅鐸の形成とその東方展開
朱棒(中国・湖南師範大学)「後漢魏晋亀鈕官印分類・断代研究」*通訳あり
ライアン・ジョセフ(岡山大学)「弥生時代の鉄製武器と東アジア社会」
大熊久貴(明治大学博士後期課程)「古墳時代の櫛文化とその観念
クルボノヴァ・グルノザ(ウズベキスタン・サマルカンド外国語大学)「日本とウズベキスタンの昔話について」
中村友一(明治大学)「日本古代文字瓦における書字行為」
史睿(中国・北京大学)「敦煌写経書法断代与書法史研究」*通訳あり
牧野淳司(明治大学)「唱導と敦煌の「隋浄影寺沙門恵遠和尚因縁記」」
荒見泰史(広島大学)「敦煌の西王母説話と唱導」

考古学・古代史・文学の3分野による国際学術研究会ですが、今回は敦煌写経や敦煌文書にかかる報告も予定しています。
事前申込制(12月8日締切)・Zoom形式での開催となりますので、詳細は下記の明治大学日本古代学研究所のサイトにてご確認ください。
http://www.isc.meiji.ac.jp/~meikodai/obj_info.html#kokyo12

2021年11月 5日 (金)

第39回定期研究会が開催されました

2021年10月30日、オンラインではありましたが、2年ぶりの定期研究会が開催されました。

                 🚗

第1報告の村上菜菜氏「古代東大寺領荘園関係文書および図に記された「村」」は、東大寺が所有権を主張するために作成した荘園関係史料に、「村」が書き込まれた理由を追究しました。「村」が税の収取単位で、地方社会を構成する一単位であったためとしました。

第2報告の浦木賢治氏「静嘉堂所蔵古写経群の概要と調査に関する中間報告」は、古写経の伝来の経緯を考察したもので、滅多にお目にかかれない静嘉堂所蔵の長屋王願経・五月一日経・神護景雲経・善光朱印経などを、鮮明な画像とともに紹介しました。

第3報告の三野拓也氏「造石山寺所の雇用労働力」は、造石山寺所関係文書にあらわれる「雇工・雇夫・様工」などを分析しました。材木の伐採と製材、運漕と組み立て、塗装、檜皮の採取と葺作業など、石山寺増築工事を支えた労働力の実態をあきらかにしました。

オンライン開催ということもあり、米国や韓国・シンガポールなど海外からの参加を含む、計70名の参加がありました。 

                  🚗

次回は、2022年10月29日(土)午後、奈良市内での開催を予定しております。

2021年10月30日 (土)

会誌『正倉院文書研究』17号が刊行されました

『正倉院文書研究』17号が刊行されました。

http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b590517.html

 ◆ ◆ 目次 ◆◆

月借銭事業に関する基本的問題  森明彦

奈良時代における一切経の系統―善光朱印経と五月一日経の本文比較 市川理恵

奈良時代の馬の飼養と利用―正倉院文書を題材に― 垣中健志

延暦十三年における正倉院薬物出倉に関する一考察 鐘江宏之

〈研究ノート〉造東大寺司判官上毛野真人の改名 山下有美

〈書評と紹介〉矢越葉子『日本古代の文書行政―正倉院文書の形成と復原―』 大艸啓

〈口絵〉葦浦継手手実(解説) 小倉慈司

2021年9月16日 (木)

第39回定期研究会のお知らせ(参加申込方法)

2021年度定期研究会は、下記の要領で、オンライン開催いたします。

ぜひご参加ください!

              🎵


【日程】2021年10月30日(土)13時~16時45分

   13:00ー16:15 研究報告

    村上菜菜「古代東大寺領荘園関係文書および図に記された「村」」

    浦木賢治「静嘉堂所蔵古写経群の概要と調査に関する中間報告」

    三野拓也「造石山寺所の雇用労働力」(仮) ※敬称略

   16:15-16:45 総会

【開催方法】オンライン(ZOOM)※参加登録いただいた方に、前日までに招待メールをお送りします

【参加方法】参加には事前登録が必要です(会員・非会員とも)

      下記サイトからお申し込みをお願いします(10月27日正午締切)

      ☞ https://forms.gle/EnaDH1JfmWSzdkXe6

     *本年度の参加費は無料です。

       *非会員の方も参加可能です。

       *参加者への情報提供を希望される場合は、参加申込の際に「そのほか連絡事項」欄にご記入ください。

2021年8月27日 (金)

2021年度定期研究会のおしらせ(全面オンライン開催に決定)

コロナウイルス感染症の拡大を受け、本年度の定期研究会は下記の要領で実施することにいたします。

日  時:2021年10月30日(土)13時~
                  ※研究会終了後に、ひきつづき総会を開催します
実施方法:全面オンライン(ZOOM)

詳細および参加登録方法については、9月中旬に本サイトにてご案内いたします。よろしくご予定ください。

【情報提供】
①2021年度第73回正倉院展の開催について
  今年の正倉院展の詳細が発表されました。会期は10月30日(土)~11月15日(月)です。今年も前売日時指定券のみ販売となるようです。お早めにご確認ください。
  詳しくはコチラ⇒ https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special/202110_shosoin/
②正倉院展関連講座について
  奈良博での公開講座とは別に、東京と大阪で講座が開催されます。このうち9月28日(火)開催の大阪会場では、本研究会協力のもと、正倉院文書に関する講演も行われます。ぜひご参加ください。
      詳しくはコチラ⇒  https://www.yomiuri-osaka.com/lp/shosointen-event/#2

2021年5月29日 (土)

『正倉院紀要』第43号が刊行されました

『正倉院紀要』第43号が刊行されました。下記サイトから全文閲覧可能です。

https://shosoin.kunaicho.go.jp/bulletin/

 

**** 目次 ****

正倉院宝物特別調査 筆調査報告……日野楠雄・荒井利之・橋本貴朗・藤野雲平・向久保健蔵

正倉院所蔵の巻筆と書蹟……荒井利之

茶地花樹鳳凰文﨟纈絁の文様染め技法に関する一考察……片岡真純

年次報告

正倉院櫃類銘文集成(二)―慶長櫃・元禄櫃―……飯田剛彦・佐々田悠

正倉院文書にみる筆の諸相―材質を中心に―……杉本一樹

                                        🔍

 まずは、2016年から4か年にわたって実施された、「筆」の特別調査報告が注目されます。現在一般的な毛筆といえば「無芯筆」(毛のみを束ねた穂先)ですが、正倉院に伝わる筆は毛と紙とを交互に巻き固めた「有芯筆」です。その構造や材質を、X線透過写真も活用して詳細に観察し、さらに観察結果をもとに試作筆を製作して、その性能を検証しています。有芯筆は、巻紙のおかげで筆圧を効かせることができ、線の細い・太いを表現するのに優れているとのことで、正倉院に残る書跡からも有芯筆で書かれた痕跡を見出すことができるそうです。荒井論文では、献物帳や雑集などの書跡とともに、諸国から提出された戸籍・正税帳・計帳などの書風にも注目し、地方に残る古い北魏書風に対し、新しい唐代書風が畿内から徐々に広がりつつあることを指摘しているのも、興味がひかれます。杉本論文は、写経所文書の中に登場する兎毛筆・鹿毛筆・狸毛筆について検討し、それぞれの性質や用途、利用のされ方など、様々な側面から古代における筆の実像を明らかにしています。

片岡論文は、標題の文様染めが、﨟纈(ロウケツ染め)でも夾纈(板締め染め)でも纐纈(絞り染め)でもない、第4の技法によっていることを示した上で、中国トルファン・アスターナ古墓群出土品などで確認されている「アルカリ剤印花法」との関連について指摘します。正倉院櫃類銘文集成は第41号に続いて第2弾。今回は江戸時代の開封時に奉納された櫃群に記された銘文が提示されています。古櫃調査の成果をわかりやすく紹介したものとしては、佐々田悠「古櫃が語る正倉院の歴史」(『日本歴史』877、2021年6月号)がありますので、ぜひあわせてご覧ください。

2021年3月29日 (月)

『日本古代の文書行政―正倉院文書の形成と復原―』が刊行されました

正倉院文書の研究を続けてこられた、矢越葉子さんの論文集が刊行されました。

             👓

日本古代の文書行政―正倉院文書の形成と復原―

1 矢越葉子著

本体8,000円+税

八木書店

発行:2020年12月20日 A5判・上製・カバー装・434頁

ISBN 978-4-8406-2240-0 C3021

https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2223

             👓

文書はどのように作成・保管されたのか――律令国家を動かした文書行政の実態や、正倉院文書の作成から保管に至る史料群の形成過程、さらに中国・敦煌文書との比較から、日本の文書行政の特質を解明(出版社HPより)

ぜひご一読ください!

2021年3月27日 (土)

2021年度定期研究会のおしらせ

本年度の定期研究会は、下記のとおり開催いたします。
日  時:2021年10月30日(土)午後
実施方法:対面(オンライン併用はしません)
     ※状況により、全面オンラインに切り替える可能性があります
会  場:奈良女子大学 N101教室
     ※感染防止策をとります
実施方法につきましては、状況を見極めた上で夏頃に判断し、あらためておしらせします。
よろしくご予定ください。

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