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2013年10月31日 (木)

第32回定期研究会が開催されました

2013年10月26日(土)午後、大阪市立大学文化交流センターにおきまして、今年度の定期研究会が開催されました。台風の接近が心配されたものの、当日は北海道から九州まで、各地から参加者が集まりました。


01_6第1報告の
石上英一氏「『東大寺要録』巻一所収延暦僧録文「仁政皇后菩薩」伝について」では、鑑真とともに来日した中国僧・思託が撰したとされる表題史料について、本文の校異・注解・現代語訳を提示されました。難解な史料に果敢に取り組まれた貴重な成果であるとともに、対句や平仄の分析による校訂の試みとしても注目されます。

第2報告の02_3大艸啓氏「正倉院文書に見える「供奉礼仏」について」では、上日帳や食口案に見える「供奉礼仏」記載について、国家規模の盛大な法会への参列・奉仕を意味するものと論じられました。『続日本紀』などに、儀式参加者として記録された「百官及び士庶」の内実を垣間見ることができるという点でも、興味深いご報告でした。

第3報告の03_3矢越葉子氏「東大寺所蔵経巻の検討―「神護景雲二年御願経」と正倉院文書を手がかりに―」は、聖語蔵に残る宝亀年間書写経巻の研究進展を受けて、東大寺所蔵経巻からその僚巻を指摘されました。巻末紙背の書入、写経所文書の記載、写経料紙の規格、経師の筆跡など、様々な手法を駆使しての検証の鮮やかさが光りました。

 04第4報告の南部曻氏「御野国戸籍の「妾子」―味蜂間戸籍・加毛郡戸籍の相違と造籍式―」は、2012年に太宰府市・国分松本遺跡から発見された「嶋評」木簡を受けて、「御野型」「西海道型」と呼ばれる戸籍の形式を再検討しようとするものでした。それらの基礎となる造籍式のあり方をめぐり、活発な質疑応答が交わされました。

 次回研究会は、2014年10月25日(土)、会場は今年と同じく、大阪市立大学文化交流センター(大阪駅前第2ビル・6階ホール)で開催予定です。

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