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2014年9月12日 (金)

第66回正倉院展が開かれます【終了しました】

今年も正倉院展の季節になりました。10月25日(土)開催の正倉院文書研究会定期研究会とともに、ぜひご予定ください。

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第66回 正倉院展
会 期:  2014年10月24日(金)~11月12日(水)全20日
会 場:  奈良国立博物館(東新館・西新館)
休館日:  会期中無休
開館時間: 午前9時~午後6時

※金曜日、土曜日、日曜日、祝日は午後7時まで
※入館は閉館の30分前まで

http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2014toku/shosoin/2014shosoin_index.html

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展示にあわせて、公開講座やシンポジウムも開催されます。

公開講座
10月25日(土)「鳥毛立女屏風と唐時代絵画」
 板倉聖哲氏(東京大学東洋文化研究所教授)
11月3日(月・祝)「正倉院宝物の科学的調査」
 中村力也氏(宮内庁正倉院事務所保存課保存科学室員)
11月8日(土)「正倉院の武器・武具」
 岩戸晶子氏(奈良国立博物館学芸部研究員)

正倉院学術シンポジウム2014「正倉院宝物に日本文化の源流をみる」
日時:11月2日(日)午後1時~午後5時30分
会場:奈良県新公会堂  ※事前申込制

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出陳宝物一覧
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2014toku/shosoin/2014shosoin_list.pdf

今年注目される展示品としては、樹下美人図が描かれていることで知られる鳥毛立女屛風があります。すでに知られているように、鳥毛立女屛風の本紙および下貼りには、古文書の反故が使用されています。「買新羅物解」は、天平勝宝4年(752)6月に、新羅から輸入された物産の買得を求める高位の官人たちが政府に提出した、お買い物の希望品リストです。江戸時代に屛風を修理した際、文書の大部分が取り外されました。その文書の一部が、続修正倉院古文書後集第43巻〔買新羅物解〕です。

そのほかには、以下の正倉院文書が出陳されます。
・正倉院古文書正集 第15巻〔伊賀国正税帳、志摩国輸庸帳、尾張国正税帳〕
・正倉院古文書正集 第41巻〔豊前国上三毛郡塔里・加自久也里戸籍〕
・正倉院古文書正集 第3巻〔大粮申請継文〕
・続修正倉院古文書 第37巻〔造石山院所労劇文案〕
・続々修正倉院古文書 第3帙 第10巻〔太師家牒ほか〕

また、明治年間に東大寺から正倉院に入った東大寺献納図書と呼ばれる一群から、以下の3点が出陳されます。
・東大寺封戸処分勅書
・東南院古文書 第3櫃 第28巻〔越中国諸郡荘園惣券第1〕
・東大寺開田地図 越中国射水郡クボ田野地図

正税帳・戸籍・大粮申請継文は、正倉院展では恒例とも言えるラインナップですが、今回は特に印影の明瞭なものが多く含まれています。また、神亀6年(729)志摩国輸庸帳は、現存唯一の「輸庸帳」として重要であり、諸国で収取される庸の実態を示す数少ない史料の一つです。ちなみに、この志摩国輸庸帳は冒頭部分しか残っていないため、作成の月日は不詳ですが、神亀6年は8月5日を以て天平元年に改元されていますので、8月5日以前の作成であることがわかります。さらに細かいことで、この年に志摩国から輸納された庸は塩でしたが、『延喜式』では、志摩国の庸は「鮑・堅魚・鯛楚割」とされており、塩は入っていません。

造石山院所労劇文案は、石山寺造営がほぼ完了した時期につくられた文書で、現場労働に従事した人々の名前を書き上げ、造東大寺司での労働年数を記したものです(ただし、これは草案段階のもので、空欄が多い)。文書作成の目的ははっきりしませんが、大事業の推進に功績のあった人々に、特別報酬を準備するためにつくられたものでしょうか。『正倉院文書研究』12号(2011年)に掲載された鷺森浩幸氏の論文「造石山寺所の給付体系と保良宮」では、何らかの給付物が彼らに与えられたと推定されています。なお、紙背面の作金堂所解(展示では見えない)については、『正倉院文書研究』9号(2003年)掲載の風間亜紀子氏の論文「天平宝字年間における法華寺金堂の造営―作金堂所解の検討を中心に―」に、詳細な分析があります。

東大寺封戸処分勅書は、東大寺の封戸5000戸の使途内訳を決めた勅書です。末尾に署名のある藤原仲麻呂が全文を自筆で書いたと推定されており、この取り決め自体にも仲麻呂の意向が強く働いていると考えられます。本来、封戸からあがる収入の使い道は、封主の裁量になるはずですが、このときの決定では、5000戸のうち2000戸を「官家」、すなわち政府が諸仏事をおこなうための分と定めています。封戸であるにもかかわらず、国家が介入できることになったわけです。これは大きな恨みを生むことになったと予想されますが、この恨みつらみは後世まで受け継がれていたようで、「仲麻呂がこのような処置をとったのは聖武天皇による勅施入の趣旨に反するものであり、そのために仲麻呂は誅殺されたのだ」という記事が、『東大寺要録』封戸水田章に引用されています(天平宝字8年〔764〕に仲麻呂は謀反のかどで身を追われ、斬首されています)。

東大寺献納図書から出陳のもう2点は、荘園の坪付帳と図面です。天平宝字3年(759)11月に越中国の東大寺領荘園7カ所が一斉点検されたときに、坪付を1通の文書にまとめ、図面は荘園ごとにつくられました。今回展示の荘園図は、現在の富山県高岡市域に比定されている、越中国射水郡クボ田野のものです。

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一方、東京国立博物館で開催予定の「日本国宝展」には、正倉院宝物11件が特別出品されます。こちらも見逃せませんね。

展示期間:10月15日(水)~11月3日(月・祝)【18日間限定】
・「鳥毛立女屏風 第1・3扇」(北倉44)
・「緑地彩絵箱」(中倉155 第31号)
・「紅牙撥鏤撥」(北倉28)
・「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶」(南倉101 第1号)
・「大小王真跡帳」(北倉160)
・「小乗雑経帙 附牙牌」(中倉61)
・「磁鉢」(南倉9 丙第4号)
・「金銅花形合子」(南倉19 第1号)
・「赤銅合子」(南倉29 第3号)
・「赤銅柄香炉」(南倉52 第3号)
・「紫地綾錦几褥」(南倉150 第8号)

http://kokuhou2014.jp/highlight.html

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