« 2015年7月 | トップページ | 2015年11月 »

2015年9月

2015年9月25日 (金)

第34回定期研究会のおしらせ【終了しました】

本年度の定期研究会は、下記のとおり開催されます。

                       pisces                            

日時:2015年10月24日(土) 13:30~17:30
会場:大阪市立大学文化交流センター
    大阪駅前第2ビル・6階ホール(JR大阪駅前 徒歩約10分)
    
http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/academics/institution/bunko/index.html
研究報告:

 栄原永遠男「正倉院文書の構成-吉田孝氏の表の再検討-

 中川ゆかり「渤海国書における「彼国」と「貴国」-相手側を指す「彼」の用法から-

 栄原永遠男「正倉院文書からみた奈良時代の悔過」

 山口英男 「正倉院文書マルチ支援データベース SHOMUS の概要」
                                              <敬称略>

※〈共催〉SHOMU科研グループ(基盤研究(A)正倉院文書の多元的解析支援と広領域研究資源化)
※会員には近日中に案内文を発送いたします。年会費納入につきましてもよろしくお願いいたします(当日のお支払いはご遠慮ください)。

                       pisces

非会員の方もご参加いただけます(当日は会場整理費〈500円程度〉が必要です)。研究会終了後、懇親会も予定しております。

お問い合わせは正倉院文書研究会事務局まで。

2015年9月 3日 (木)

SHOMUSで正倉院展の予習をしてみよう!

先ごろ公開が始まった「正倉院文書マルチ支援(多元的解析支援)データベース」、略してSHOMUSですが、研究文献検索機能を付加するなど、着実に進化を続けています。

東京大学史料編纂所ホームページ
(データベース検索→〔史料の所在〕正倉院文書マルチ支援データベース)
http://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/shipscontroller

そこで今回は、今年(2015年)の正倉院展に出陳される古文書について、SHOMUSを使って予習してみようと思います。皆さんもぜひご自分で試してみてください。

                         pc

正倉院展の出陳宝物は、奈良国立博物館のホームページで確認することができます。
(お知らせ→プレスリリース)
http://www.narahaku.go.jp/news/download/2015shosoin_press_list.pdf

これによれば、古文書は以下の7巻が出陳予定とのこと。
36 中倉18 続修正倉院古文書別集(続修別集) 第三十三巻
42 中倉15 正倉院古文書正集(正集) 第四十二巻
43 中倉16 続修正倉院古文書(続修) 第十三巻
44 中倉16 続修正倉院古文書(続修) 第四十六巻
45 中倉14 東南院古文書 第三櫃 第二十七巻
46 中倉14 東南院古文書 第三櫃 第三十三巻
47 中倉16 続修正倉院古文書(続修) 第三十二巻

このうち、45・46の東南院文書はSHOMUSの対象外となります。

44「続修第四十六巻」は、出陳宝物一覧には「大津大浦の書状など」とありますが、実際にはどのような巻物なのでしょうか。SHOMUSを使って調べてみましょう。
色々な方法がありますが、まずは
「続修第四十六巻」という情報を手がかりとします。

画面1

Photo

検索画面3段目の「類別」とは、正集・続修・続修後集・続修別集・塵芥・続々修などの区別のことです。ヘルプ画面を見ると、正集=1、続修=2、などと番号が決められていますので、その番号をここに入力します。今回は続修なので「2」と入力します

検索画面4段目の「帙巻」は、巻数のことです。今回は「46」と入力すれば良いわけです。ただし、続々修のように「第1帙第1巻」といった整理がされているものには、4ケタで「0101」と入力します。さあ、それだけ入力すれば、最下段の「検索」をクリック

画面2

Photo_2

すると続修四十六巻の内容がオモテ面の冒頭から順にリストになって出てきます。「大津大浦の書状」はオモテ面の4紙目、第4断簡にあることがわかります。では「詳細」ボタンをクリックしてみましょう。

画面3

1
2_5

この画面には、本書状に関する様々な情報が詰まっているのですが、まずは釈文を確認してみようと思います。
最下段近くの《大日本古文書》欄の「参照」をクリックします。

画面4

Photo_3

2つの候補が出てきますが、大津大浦書状は上段に相当します。右端の刊欄の「画」ボタンをクリックすると、『大日本古文書』4巻300~301頁に掲載された釈文を見ることができます。

画面5

Photo_4


画面3に戻って、今度は《大日本古文書》欄の「研究文献」をクリックしてみましょう。

画面6

Photo_5

すると、本書状に関連する研究論文を知ることができます。
ここで注意しなければならないのは、これらは『大日本古文書』4巻300~301頁に関連する論文であり、本書状の前後に掲載されている別の文書(阿刀老女等啓・東寺写経所解)に関する論文も混じっていることです。検索結果の「大日本古文書」欄の頁数をよく確認して、関連する論文を選び出す必要があります。
本書状は300から301頁にかけて掲載されているので、該当するのはNo.2の丸山裕美子氏の論文ということになりそうです。
「詳細」をクリックしてみましょう。

画面7

Photo_6

この論文は、『正倉院文書研究』4号に掲載されており、さらに本書状については140頁の表2の中で言及されていることまでわかります。
ちなみに、「研究文献」のボタンは画面3の上段にもありますが、さきほどの画面6の検索結果とは異なります。これは文書の所在を『大日本古文書』の巻頁で記す論文と、類別(正集・続修)帙巻で記す論文とがあるためで、画面6は前者に、上段ボタンは後者に対応しています。もれなく関連論文をチェックするためには、両方のボタンを確認する必要があるわけです。

さて、SHOMUSの特徴として、文書の本来の接続を調べる機能があります。その事例として、次に出陳一覧47の「続修第三十二巻」を見てみましょう。

画面8

Photo_7

例によって「類別」に「2」を、「帙巻」に「32」を入力して、「検索」をクリックします。

画面9

Photo_8

検索結果を見ると、本巻のオモテ面は「造仏所作物帳(案)」という一連の帳簿のようです。No.1の第1断簡の「詳細」を見てみましょう。

画面10

1_2
2_6

画面中央付近の【右端状態】【左端状態】を見てみると、本巻は帳簿本来の姿そのままではなく、抜き取られて別の場所に整理されてしまった部分があるようです。第1断簡の右側は「続々修35ノ3断簡2(2)裏」に、左側は「続修34断簡3」に続いていたらしいことがわかります。前者はデータが未整備なのですが、後者については
「断簡ID」をクリックすることで、そちらのデータも参照することができます。

画面11

Photo_9

                         pc

いかがでしたでしょうか? SHOMUSの使い方のごく一部をご紹介しましたが、ぜひ直接使ってみて、様々な方法を試してみてください。今後は画像データも見られるように整備していく予定とのことで、期待が膨らみます。

SHOMUSを利用して、今年の出陳文書について事前に予習しておけば、展観の楽しみも倍増することでしょう。釈文をプリントアウトして貼り継ぎ、巻物を再現してみるのも良いかもしれませんね。

2015年9月 2日 (水)

講座「正倉院文書 今年の見どころ」がひらかれます【終了しました】

朝日カルチャーセンター立川において、本研究会から講師を派遣し、今年の正倉院展の「文書」の見どころをレクチャーします。

                   penguin

正倉院展を見に行くなら!

正倉院文書 今年の見どころ

講師:山口英男

日時:10月17日(土) 13時~15時

受講料:有料(下記サイトをご覧ください) 

場所:朝日カルチャーセンター立川教室(東京都立川市曙町2-1-1 ルミネ立川9階)

https://www.asahiculture.jp/tachikawa/course/8283df87-28b5-a828-7d17-55c40e23d9be

                   penguin

ふるってご参加ください。   

2015年9月 1日 (火)

『正倉院文書と下級官人の実像』(市川理恵・著)が刊行されました

正倉院文書に関する研究書が刊行されました。本研究会で報告された内容も含まれています。

                          book

Photo市川理恵著『正倉院文書と下級官人の実像』

 

同成社 古代史選書 15 2015年8月刊 6000円

――膨大な正倉院文書を詳細に解読し、古代国家の運営を支え富を築いた実力者達の実像を描き出し、「貴族に虐げられた下級官人」という従来像を覆す画期的労作。――

http://homepage3.nifty.com/douseisha/rekisi/kodai/sennsyo/sennsyo.html#kodai15

« 2015年7月 | トップページ | 2015年11月 »