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2017年4月24日 (月)

『正倉院紀要』第39号が刊行されました

『正倉院紀要』第39号が刊行されました。
http://shosoin.kunaicho.go.jp/ja-JP/Bulletin 

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目次
正倉院南倉の銀壺について……………………………吉澤 悟
正倉院宝物の機器分析調査…………………………成瀬正和
年次報告
手実と端継―正倉院文書の成り立ち―………………佐々田悠
いわゆる因幡国戸籍の成立と伝来……………………渡辺晃宏

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 正倉院文書に関する論文が2本掲載されています。渡辺論文は因幡国戸籍についての詳細な観察報告です。内側に折られていたことや身分変動に伴う追記の意味を明らかにし,この帳簿が計帳歴名の原簿として「計帳の日」の人身把握に用いられた可能性に言及します。律令公文の新たな研究として注目されます。佐々田論文は手実帳の形態観察をもとに文書の成り立ちを考察したものです。手実にはかなりの割合で端継が転用されていて,巻末の端継は書写後に剥がされて経師の手実に,巻首の端継は最後の装丁段階で切断されて,案主によって帳簿に再利用されたことを論じています。人身把握と帳簿のあり方,写経行程と反故紙の発生など,古代の実情に迫るものとなっています。

 そのほか,吉澤論文は巨大な銀壺の技法や狩猟文について考察,日本製である可能性を指摘しています。成瀬論文は機器分析による科学的調査の内容と歩みを分かりやすく解説しており,近年の古文化財調査の手法を知る上でも必読です。
 年次報告では鳥毛篆書屏風や吹絵紙,最勝王経帙についての調査結果が示されています。

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