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2022年7月13日 (水)

『正倉院紀要』第44号が刊行されました

『正倉院紀要』第44号が刊行されました。下記サイトから全文閲覧可能です。

https://shosoin.kunaicho.go.jp/bulletin/

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**** 目次 ****

正倉院の筆と書跡から中国書法を見直す……橋本貴朗

花氈第17号の復元的研究……ジョリー・ジョンソン

模造「笛吹襪」の製作……矢野俊昭

正倉院漆工品にみる研ぎ出し技法について―金銀平文琴の検討を中心に―……山片唯華子

年次報告

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橋本論文は第43号で特集された「筆」の特別調査、ジョンソン論文は第42号で特集された「花氈」の特別調査に関わるもので、あわせて参照されたい。橋本論文は、遊糸など有芯筆にともなう特徴という視点から、中国書法を再検討する。ジョンソン論文は、2020年正倉院展でも動画で紹介され注目された花氈の復元製作の工程の紹介と、そこから得られた所見について論じる。矢野論文では舞楽装束の「襪」(靴下)の模造製作について解説するが、糸をつくって織り、染料をつくって染め、裁断して縫製し、銘文を墨書するという、多くの専門家による総合知としての模造製作の意義がよく伝わってくる。山片論文は、中国唐代に製作された金銀平文琴にみえる加飾技法である平文(ひょうもん)について、関連宝物を含めた詳細な検討をもとに、その技法について論じる。年次報告では、正倉院所在の法隆寺関係染織品についての調査報告もなされている。

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