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2022年7月27日 (水)

根津美術館企画展「よめないけど、いいね!根津美術館の書の名品」【終了しました】

根津美術館(東京都港区)で奈良朝写経を含む企画展が開催中です。

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企画展「よめないけど、いいね!根津美術館の書の名品」

会期:2022年7月16日(土)~8月21日(日)

https://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

※鑑賞するためには日時指定入館券が必要です。

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奈良時代の古写経、「観世音菩薩受記経(天平六年聖武天皇勅願経)」や「大般若経 巻第二百六十七(神亀五年長屋王願経)」、「根本百一羯磨 巻第六(今更一部経)」などが展示されています。

「観世音菩薩受記経(かんぜおんぼさつじゅききょう))」(重要文化財)は、天平六年(734)の聖武天皇勅願経です。願文に「天平六年」「写経司」「門部王」などとあります。この天平六年聖武勅願経は、光明皇后の写経所で五月一日経が書写されていたころ、聖武天皇の写経所で書写されていました。五月一日経は1000巻ほど現存しますが、聖武勅願経は、「双観無量寿経 巻上」(逸翁美術館)、「仏説七知経」(檀王法林寺)とともに3巻しか現存しません。

「大般若経 巻第二百六十七」(重要文化財)は、神亀五年長屋王願経です。長屋王願経は、和銅五年(712)の和銅経と神亀五年(728)の神亀経があります。ともに無辺無界(界線がない)で、神亀経には日本の古写経には珍しく、巻末に校経列位(書写や校正に携わった人々の名前)が記されています。和銅経は200巻以上現存していますが、神亀経は3、4巻しか現存しません。

「根本百一羯磨(こんぽんひゃくいちこんま) 巻第六」(国宝)は、東大寺写経所において宝亀年間に書写された今更一部経です。「巻第一~四」「巻第七~十」は聖語蔵、「巻第五」は白鶴美術館にあります。正倉院文書から宝亀六年(665)に念林老人が書写したことがわかります。

希少な古写経が展示されています。お見逃しなく。

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