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刊行物

2016年5月24日 (火)

『正倉院紀要』第38号が刊行されました

正倉院のホームページにて、全文をPDFファイルで読むことができます。
http://shosoin.kunaicho.go.jp/ja-JP/Bulletin

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目次
特集 正倉院正倉整備工事 まえがき……………………杉本一樹
正倉院正倉整備工事の報告……………………………春日井道彦
正倉院正倉の奈良時代平瓦をめぐる諸問題…………岩永省三
年輪年代法による正倉院正倉の建築部材の調査(3)…光谷拓実
正倉院宝庫修理の歴史と自然災害……………………飯田剛彦
正倉の鎮守について……………………………………春日井道彦
年次報告

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今回の特集は、2011~14年におこなわれた正倉院宝庫の整備工事に際して、新たに得られた知見をまとめたものとなっており、読みごたえがあります。
春日井論文や岩永論文によると、平瓦の製作技法について、東大寺造営の頃には「桶巻作り」から「一枚作り」に移行していたとの「常識」に反し、今回の調査では、正倉院宝庫に残る奈良時代瓦の実に70パーセント以上が桶巻作りだったことが判明したそうです。それを瓦の状態の良し悪しによる残存率のなせる結果とみるか、東大寺造営に先行する建物からの再利用とみるか、あるいは製作技法の年代観自体を見直す必要があるのか。興味は尽きません。その他にも、奈良時代の瓦工たちの手の痕跡が瓦に鮮明に残されている様子は驚きですし、また整備後の宝庫屋根のどの部分にどの時代の瓦が葺かれているか、一目瞭然の挿図も興味深いものです(古い瓦を見たければ南面を見るべし!)。
飯田論文は、従来の研究では見逃されてきた鎌倉時代後期の修理についての史料を指摘するなど、新知見も多く交えながら、宝庫修理の歴史を描いていきます。近年特に注目される自然災害と文化財保護という視点からも、示唆するところの多い一文となっています。
年次報告では、正集に見える国印の印肉材の調査結果が示されています。

2015年11月13日 (金)

正倉院文書研究14号が刊行されました

会誌最新号が刊行されました。

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正倉院文書研究会編 『正倉院文書研究』 14号 

吉川弘文館、2015年11月13日出版 定価:本体4,500円+税

http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b209215.html

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◇◇ 目 次 ◇◇

南部 曻  御野国戸籍の「妾子」

石上英一  『東大寺要録』巻一所引延暦僧録文「仁政皇后菩薩」伝について

堀部 猛  日本古代の勘籍制

杉本一樹  皆川先生と正倉院古文書調査

渡部陽子  書評と紹介 尾形充彦著『正倉院染織品の研究』

口絵 赤地鴛鴦唐草文錦大幡脚端飾裏打文書(解説 飯田剛彦)

2015年9月 1日 (火)

『正倉院文書と下級官人の実像』(市川理恵・著)が刊行されました

正倉院文書に関する研究書が刊行されました。本研究会で報告された内容も含まれています。

                          book

Photo市川理恵著『正倉院文書と下級官人の実像』

 

同成社 古代史選書 15 2015年8月刊 6000円

――膨大な正倉院文書を詳細に解読し、古代国家の運営を支え富を築いた実力者達の実像を描き出し、「貴族に虐げられた下級官人」という従来像を覆す画期的労作。――

http://homepage3.nifty.com/douseisha/rekisi/kodai/sennsyo/sennsyo.html#kodai15

2015年4月28日 (火)

『正倉院紀要』第37号が刊行されました

正倉院のホームページにて、全文をPDFファイルで読むことができます。

http://shosoin.kunaicho.go.jp/ja-JP/Bulletin

                        aries

目次

[正倉院宝物特別調査]毛材質調査報告……竹之内一昭・奥村章・福永重治・向久保健蔵・実森康宏・ジョリー ジョンソン・本出ますみ
年次報告
[宝物随想]玉箒の揺らぎ……………………阿部弘

                              aries 

毛材質調査報告では、筆・伎楽面・塵尾その他・毛氈といった毛を使用した宝物について、毛材質や技法について検討を加えたものです。私などは初めて知ることばかりだったのですが、たとえば筆は5段構造になっており、多くは5段とも同種の毛(兎・狸・馬など)を使用しているものの、天平宝物筆などは層ごとに別種の毛が使用されているそうです。他にも、鯨鬚とされていたものが猪毛や馬毛であったとか、中央アジア地域の伝統的技法を参考に、フェルトの文様技法についての理解が正されるなど、興味深い指摘が満載です。中央アジアでのフェルト制作の様子を撮影したスナップや、わかりやすい模式図、豊富な写真図版によって、専門外の読者にも大変丁寧な報告となっています。

 

年次報告には、正倉院展公開講座における2講演(佐々田悠氏「慶長櫃が語る正倉院の歴史」/成瀬正和氏「正倉と正倉院宝物―守る・伝える―」)の概要が掲載されています。

 

 

 

 

2015年2月26日 (木)

歴博研究報告「正倉院文書の高度情報化研究」特集号が刊行

国立歴史民俗博物館で進められてきた、正倉院文書の研究プロジェクトの報告書が刊行されました。研究代表者の仁藤敦史さんから、ご紹介いただきます。

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人間文化研究機構連携研究「正倉院文書の高度情報化研究」特集号

     仁藤敦史編『国立歴史民俗博物館研究報告』192集
            (2014年12月刊、全238頁)

※歴博振興会では、定価2000円・送料350円で取り扱っています(歴博HP参照)。

 2010年度から2014年度までの5ヶ年にわたる人間文化研究機構連携研究「正倉院文書の高度情報化研究」についての報告書。内容は2013年1月26日に東大寺で開催されたシンポジウムの報告内容をまとめた予稿集及び、2011年11月4日に韓国国立中央博物館企画展示で正倉院文書が展示されることに連動して開催された講演会の要旨集『正倉院文書の世界』(韓国中央博発行・ハングル語、2011)を基礎としている。正倉院文書研究の動向および各研究機関の研究成果の総括などを含み、さらなる高度利用をめざす報告書を意識して編集した。
 なお、正倉院文書の表裏をパソコン画面上で一覧できる「正倉院文書自在閲覧システム公文編」は、来館時の即日閲覧が可能となりましたので、これも一度熟覧していたたければ幸甚です。

【目次】

仁藤敦史    研究の概要
栄原永遠男    正倉院文書研究の現状と課題
山下有美     写経所文書研究の展開と課題
富田正弘     古代文書様式の中世への展開①

〔研究ノート〕
山下有美     正倉院文書の性格とその特質
飯田剛彦     三つの山辺諸公手実をめぐって
今津勝紀     古代家族の復原シミュレーションに関する覚書
高田智和     ヲコト点の座標表現
倉本一宏     摂関期古記録データベースをめぐって
後藤真      正倉院文書のデジタル化の意義と課題
安達文夫・鈴木卓治・仁藤敦史
                  超高精細画像自在閲覧方式を適用した正倉院文書の調査研究支援閲覧システム

〔調査研究活動報告〕
栄原永遠男  大阪市立大学栄原ゼミにおける写経所文書研究
山口英男    史料編纂所と正倉院文書調査
佐々田悠    正倉院事務所における古文書調査のあゆみ
仁藤敦史    正倉院文書研究と歴博複製事業の役割
小倉慈司    『正倉院文書拾遺』後の庫外正倉院文書
稲葉蓉子・林友里江   正倉院文書データベースの概要と課題

2014年4月28日 (月)

『正倉院紀要』第36号が刊行されました

正倉院のホームページにて、全文をPDFファイルで読むことができます。

正倉院HPhttp://shosoin.kunaicho.go.jp/shosoinPublic/top.do

                   cherry

目次

乾漆伎楽面の報告にあたって…………………………成瀬正和

正倉院乾漆伎楽面の構造・技法についての研究

  ―試作・実験による考察―………………山﨑隆之・岡田文男

乾漆製伎楽面の製作技法

  ―乾漆第20号を中心として―……………………山片唯華子

正倉院所在の法隆寺献納宝物染織品

  ―錦と綾を中心に―………………………………沢田むつ代

年次報告

                      cherry

年次報告では、新たな発見として、幡の脚端飾りに用いた錦の裏打ちとして使用された、幡製作に関する文書を紹介しています。また薬袋に残る墨書についても報告されています。

沢田論文が扱うのは、正倉院に残された法隆寺裂。明治の廃仏毀釈の風潮のなか、法隆寺の寺宝は皇室へと献納され、一時的に正倉院に仮納された後、東京の博物館へと移されました。ところが正倉院から搬出する際、染織品を納めた櫃が取り違えられ、法隆寺献納宝物の一部が正倉院に残り、正倉院宝物の一部が法隆寺献納宝物とともに東京に運ばれてしまいます。その後、それぞれ整理作業が進められて、今ではすっかり混ざってしまいました。本稿では宝物写真による詳細な調査から、正倉院所在の染織品から法隆寺由来のものを判別するという、興味深い内容です。今後は献納宝物から正倉院裂を明らかにする予定とあり、期待が高まります。

2013年10月24日 (木)

『正倉院文書研究』13号が刊行されました

会誌最新号が刊行されました。

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正倉院文書研究会編『正倉院文書研究』13号 

吉川弘文館、2013年10月23日出版 定価:本体8,500円+税 

http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b122513.html

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◇◇ 目 次 ◇◇

口絵 万昆嶋主解<天平宝字二年七月二十八日> 紙背 写千巻経所 食物用帳断簡(解説 野尻忠)

小川靖彦  天平初期における呉桃紙を用いた体系的経典書写

          ―山階寺西堂経の意義―

山下有美  校経における勘出・正書の実態と布施法

渡部陽子  正倉院文書にみえる帙

桑原祐子  道豊足の人事 ―あいまいな表現の背景―

濱道孝尚  写経所における「私書」の書写 ―奈良朝官人社会に関する小論―

山口英男  正倉院文書から見た「間食」の意味について

丸山裕美子 尾張名古屋の正倉院文書 ―庫外流出正倉院文書の行方―

栄原永遠男 岸俊男の正倉院文書研究と皆川完一

西洋子・矢越葉子 「未修古文書目録」と「続々修正倉院古文書目録」の対照表(三)

2013年5月15日 (水)

『正倉院紀要』35号が刊行されました

正倉院のホームページにて、全文をPDFファイルで読むことができます。

正倉院HPhttp://shosoin.kunaicho.go.jp/shosoinPublic/top.do

                   fish

目次

木画紫檀碁局と金銀亀甲碁局龕…………………………西川明彦

鳥兜様の楽帽に関する復元的考察………………………山片唯華子

年次報告

『国家珍宝帳』に見える屏風の成立について……………米田雄介

正倉院宝物「螺鈿紫檀五絃琵琶」模造品作成事前調査(楽器本体)調査所見……横山円音

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年次報告には、鎮壇具として用いられた品々の出蔵を記録する雑札(倉札)や、墨書のある薬袋などの調査報告が、鮮明な写真とともに掲載されています。

米田論文では、屏風の産地や製作年代を、雑物出入帳や墨書銘文を駆使して詳細に論じています。また山片論文では、残欠となった舞楽の被り物について、脱落した透彫金具の配置を復元して、本来の華やかな姿をよみがえらせています。

2012年5月16日 (水)

『正倉院紀要』34号が刊行されました

正倉院のホームページにて、全文をPDFファイルで読むことができます。

正倉院HP http://shosoin.kunaicho.go.jp/shosoinPublic/top.do

                                                          clover

目次
七条織成樹皮色袈裟の復元模造……………………………白井進
犀円文錦の研究………………………………………………尾形充彦
赤漆文欟木御厨子と〈赤漆欟木厨子〉………………………西川明彦
年次報告
聖語蔵経巻『神護景雲二年御願経』について………………飯田剛彦

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正倉院文書との関連では、飯田論文が、聖語蔵に伝来する経巻のうち「神護景雲二年御願経」と分類されるものについて、実はそれらの大半が宝亀年間の写経事業にかかるものであることを指摘します。正倉院文書中に遺された手実記載と、現物の経巻から知られる手がかり(末尾紙背の書入れ、紙数、用字・筆跡など)とを総合的に検討して、巻ごとに書写を担当した経師を特定し、今更一部一切経の書写事業(宝亀5年5・6月~宝亀7年6月)に属するものが大部分を占めることを明らかにしています。一覧表で「神護景雲二年御願経」の詳細な調査データが提供された点でも、貴重な成果と言えます。

最近では、藤田美術館所蔵『大般若経』(魚養経)についても、詳細な調査データとともに経巻末尾紙背の書入れ(校正記)の全文が報告されており、やはり宝亀年間の書写にかかることが指摘されています野尻忠「藤田美術館所蔵『大般若経』(魚養経)の調査研究」〔科研基盤研究(A)「奈良時代の仏教美術と東アジアの文化交流」[課題番号20242004、研究代表者:湯山賢一、2008~2010年度]報告書[奈良国立博物館、2011]第1分冊)。飯田氏も述べられるように「やや味気ない印象を抱かせる」奈良時代最後の書写事業ですが、「現物の経巻との対比でより豊かな内容が明らかになる可能性」を予感させてくれます。

西川論文は、正倉院宝物中に遺された「赤漆文欟木御厨子」(北倉2)について、これが『国家珍宝帳』に記載される2つの有名な厨子――歴代天皇に伝領された〈赤漆文欟木御厨子〉と、百済最後の王である義慈王から藤原鎌足に贈られた〈赤漆欟木厨子〉――の、いずれに対応するものであるのかに迫ります。文献記録の精査や厨子の材質・形状、さらには納入物が物理的に厨子に納まるのかといった問題など、様々な角度から考察されています。

年次報告では、東大寺開地図のうちの越前国足羽郡糞置村地図(天平宝字3年、天平神護2年)や、墨書もある薬袋類10種について、実体顕微鏡やX線回析・蛍光X線分析、赤外線カメラなどを駆使した調査成果が、鮮明な挿図とともに報告されています。

2012年4月 4日 (水)

『市川市史編さん事業調査報告書 下総国戸籍』が刊行されました

下総国戸籍に関する調査報告書が刊行されました。

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『市川市史編さん事業調査報告書 下総国戸籍』写真編、釈文編・解説編(2冊セット)

発行日:平成24年3月9日

編 集:市川市史編さん歴史部会(古代)下総国戸籍研究グループ

発 行:市川市文化国際部映像文化センター(市史編さん担当)

印 刷:株式会社 弘文社

http://www.city.ichikawa.lg.jp/cul01/1331000005.html#15-1

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写真編では、正倉院文書中に遺された下総国養老五年戸籍について、そのすべてを、本来の配列順に配慮して掲載しています。A4横組で、見開きの右ページには戸籍を、左ページにはその背面に記された写経所文書を掲載するという、画期的な編集方法がとられています。これにより、戸籍の継目裏書や継目印を瞬時に確認できるのはもちろん、写経所で反故文書をいかに2次利用したのか、その具体像の理解にも役立つでしょう。写真には国立歴史民俗博物館製作所蔵の複製本のカラー写真が用いられており、朱印や朱書も鮮明に見ることができます。

釈文編は、故皆川完一氏が原稿を担当され、従来の刊行物による指摘をふまえつつ、写真精査による新たな調査成果を加えた、非常に丁寧なつくりとなっています。解説編では、「1総論」を吉村武彦氏が、「2用語の解説」を加藤友康氏・川尻秋生氏が、「3料紙番号と断簡番号」「4復原系図」を矢越葉子氏が、「5「下総国戸籍」の国・郡・郷」を山路直充氏が担当されています。このほかにも大川原竜一氏が編集に参加されており、今後の戸籍研究・正倉院文書研究に必携の信頼すべき資料集と言えるでしょう。

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写真編と釈文編・解説編の2冊セット、1,800円(送料別)で一般販売も受け付けています。購入方法について、詳しくは下記サイトにてご確認ください。

http://www.city.ichikawa.lg.jp/cul01/1331000005.html#15-1

また本報告書に関連しておこなわれた皆川氏・吉村氏・加藤氏による鼎談の様子が、『市史研究いちかわ』第3号に掲載されています。皆川氏がお亡くなりになる直前の2011年10月5日に実施されたもので、釈文編を担当されての感想や、昔の正倉院文書調査についてもお話しされています。

http://www.city.ichikawa.lg.jp/cul01/1211000013.html#16-2

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